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「くまクマ熊ベアー」河瀬茉希さん振り返りインタビュー【後編】

河瀬茉希(ユナ役)

  • 第2期のアフレコは第1期から2年くらい空いたと思いますが、すんなり役に入り込むことはできましたか?

    やはり時間が空いたのは大きかったですし、第1期のどのあたりのトーンをベースにしていくかというところで探る部分はありました。ただ、フィナ役の和氣(あず未)ちゃんと一緒にアフレコをしていく中で、どんどん感覚が戻ってきて。#1からリラックスして収録できました。

  • 前編でもお話ししていただきましたが、第2期はユナのコミカルなシーンがグッと増えた印象がありました。

    そうなんです。なので、あえて低いトーンでかっこつけてみたり、かわいい方向に振り切ってみたりと、ベースにしている地声のギリギリの振り幅、「これぐらいの音だったら出せるな」という部分を攻めてみました(笑)。もちろんスタッフの皆さんには「ユナっぽくなさすぎですか? 大丈夫ですか?」と確認して、OKをいただいています。くまなの先生が穏やかに頷いていらっしゃったのも印象的でした。

  • 前半戦を振り返ってみての感想はいかがですか?

    #1は登場人物の紹介を兼ねた賑やかな話数で、さらに1話目にして「熊!? ベアー!?」と、『くまクマ熊ベアー』のタイトルを回収するセリフが入っていたのが面白かったです。あとは、#3のBパートですね。

  • #3のBパートというと、Aパートで描かれた製糸小屋からブラックタイガー戦までが、再度ユナの視点で描かれるという構成でしたね。

    このパートは私一人のモノローグで盛り上げないといけなかったので、プレッシャーがすさまじかったです。緩急をつけるにしてもユナは決して焦らないですし、大きく感情を出すこともない。でも喋り方のニュアンスで盛り上げたい……。そんなことを考えながらのアフレコだったので、とても難しかったですね。

  • 第2期は、シェリーの背中を押したり、フィナのためにミスリルを取りに行ったり、そしてミサのために王宮の料理長を連れてきたりと、子どもたちのために頑張る印象がありました。

    そうなんです。しかも、なんでもかんでもユナが解決するわけではなく、あくまでも手助けをするだけなんですよね。その距離感も上手だなと思います。例えばシェリーだったらシェリーの意思を尊重して、彼女がやりたいことに繋げるお手伝いをするだけ。その導き方もうまいなと思いました。 ミサにしても直接サルバード家に手を下すのではなく、パーティを中止させないために動くんです。そうやってお手伝いをしていろいろな人が幸せになることで、結果ユナの頑張りが伝わってくるのがいいなと思いました。

  • ユナのそういった行動があって、第2期は仲間や友人、知り合いの輪がさらに広がっていきましたよね。

    学園の生徒たちもそうですね。同世代と接するのは嫌と言っていたのに、旅の中で生徒たちのいろいろな面を見て、自分のことも知ってもらい、結果的に仲良しになれた。アンズたちやミスリル鉱山のジェイドやメル、バカレンジャーもそうですが、どんどん関わる人が増え、世界が広がっていったのはユナにとってもいいことだったなと思います。

  • 人とつながり、物語もつながっていくのが面白かったです。

    #8の紅茶のお話がそうですよね。シェフのゼレフさんがミサのパーティにもつながるという、小さなつながりで始まったものが大きな展開につながっていくのが、ストーリーとして気持ちよかったですし、見応えがあるなと感じました。

  • 第2期のユナとフィナの関係性についてはいかがでしたか?

    遠慮がちだったフィナが今ではちゃんと言いたいことが言えるようになり、グッと距離感が近づいたのが嬉しかったです。私と和氣ちゃんも、最初の頃から比べるとだいぶ軽快なトークができるようになって(笑)。ユナとフィナと同じように遠慮なく喋れる仲になりました。

  • 和氣さんとメインキャラクターで共演するのは『くまクマ熊ベアー』が初めてですか?

    別の現場でお会いしたことはあったものの、掛け合いの多い役柄は初めてでした。私は自分のことをよく喋るし、いろいろなことを聞くタイプなんですが、やっぱり最初はどういう距離感でいこうかいっぱい考えましたね(笑)。でも今では和氣ちゃんのほうからたくさんお話ししてくれて、すごくありがたいです。

  • ミスリルナイフの件では、フィナがユナを叱るまでになりましたよね。

    二人の距離感が縮まったことも嬉しかったですし、ちゃんとお金のことで叱ってくれる人がいてよかったねと思いました。たぶん、転移前の生活ではユナにはそういう人がいなかったと思うんです。だからこそダメなことはダメだよと真面目にいってくれる人がいるのは本当にありがたいことですし、フィナはいい友人であり、いい家族なんだなとあらためて思いました。
    ユナは力もあってできることも多いので、何かとやりすぎちゃうことが今後も出てくると思うんです。それを制御してくれる人がいるというのは絶対にいいことです。それが、ちゃんと話を聞こうと思える信頼できる相手というのが何より素晴らしいと思うので、フィナとの関係はずっと大事にしてほしいです。

  • #11までのアフレコを振り返って、何か思い出に残っていることはありますか?

    一つはユナの表情ですね。アフレコは完成した映像で収録するわけではないので、オンエアを見たときに私のニュアンスに合わせてユナの表情を描いてくださっているなと感じることが多いんです。本当にありがたいなと感じます。任せていただいているというと言いすぎかもしれませんが、こちらの引き出しからいろいろなものをご提案して、一緒にディスカッションをして、それが受け入れられたんだなと、そんな充実感があります。
    もう一つは、次回予告。いろいろな「クマ」が流れるんですが、あれは#1のアフレコのときにまとめて録ったものから選んでいただいているんです。どういうふうに使われるのかはわからなかったので、例えばしょんぼりしたパターンが「くまさん叱られる」(#7)で使われているのを見ると、新鮮な気持ちになります。

  • さて、第2期もいよいよ最終回。ぜひこちらの見どころを教えていただけますでしょうか?

    今までは国を脅かすモンスターのように力で解決できることや間接的に手助けして話がまとまることばかりでした。ですが、そうはいかない事態が起こります。それに対してユナがどこまで首を突っ込み、どう解決するのか。私もとても興味がありますし、その決着を見届けていただけたらなと思います。最後までぜひ見守っていてください。

  • ユナ

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